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最初は、ただ、
高校生活の最後に、
思い出になれば…なんて軽い気持ちだったし、
工藤君と、少しでも近づけたら…なんて甘い考えでいた私。
それでも、
実行委員会の仕事をすればする程、
体育祭が近づく程、
楽しくて仕方なくなっていた。
部活動にも入った事がなかったから、
実行委員会をやってみて、
何でもいいから部活に入っておくべきだったなぁと、
少し後悔もした。
「香那先輩、ちょっと話が…。」
こうして、可愛い後輩も出来た。
「ん?なぁに?
奈々ちゃん?」
少し強ばった顔をして、後輩の奈々ちゃんが、
私を呼び出す。
それは、休み時間の事だった。
放課後ある実行委員会で、
話しにくい事なのかと思いながら、
私は奈々ちゃんの元に行く。
「うちのクラスの男子が言ってたんですけど、
応援団の練習、
○○川の河川敷でやってるみたいなんですよ…。」
???
「それ、どういう事?」
応援団の練習は、決められた学校の敷地内でしかしちゃダメなはず。
それを、
河川敷でやってる?
それが先生にバレたら…???
「学校の練習が終わった後とかに、
河川敷に行って、
また練習してるって、
うちのクラスの応援団達が言ってたんですよ…。」
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