急接近

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どうやって、 奈々ちゃんの言った事実を突き止めればいい? 工藤君に直接聞いて、 ちゃんと答えてくれるかな? 私達が知る前に、 先生にバレてしまったらヤバい。 と、とにかく事実を確認しなくっちゃ。 授業中、私は、どうやって探ればいいか考えていた。 そして、次の休み時間に、 私は工藤君のいる席に近寄る。 工藤君は、クラスの男子と楽しくお喋りしていて、 私が近寄って来る事に気付く。 「ね、工藤君…。」 言いにくい話だ。 だけど、話して、事実かどうか、確認しなくっちゃ…。 「ん?」 楽しくお喋りしている最中に、 私は、それを割く。 「ちょっと、いいかな?」 工藤君だから、ドキドキする。 工藤君だから、言いにくい。 「どした?」 話しにくそうにしている私。 「あの…、その。  応援団の練習が終わった後…」 「ん?  勉強、教えてくれるの??」 あ? いや、そうじゃなくて…。 「いや、その話じゃなくて…」 工藤君だから、 私はすんなりペラペラと上手く喋れない。 「この前、約束してたじゃん?  教えてくれるってさぁ?」 いやいや、そうじゃなくて…。 「いつもは、練習終わった後、  何してる?」
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