結城と祐希

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「何よ、彼女って…?」 高校生になったばかりの弟に、 彼女? あり得ないしっ!! 「姉ちゃんもさぁ、そんな格好じゃあ、彼氏なんて出来ないぜぇ?」 ニタニタしながら言うタカヤ。 それも、そのはず。 私は、成績の順位しか頭になく、 普段はクロブチ眼鏡をかけて、 コンタクトにしようなんか、 思ってもいなかったし、 髪の毛もいつも面倒だから、 一つにまとめて結ぶだけ。 しかも、家では、 それがさらにパワーアップしたかのように、 前髪まで、頭のてっぺんで結び、 家着は、上下のスエット。 とても、今どきの高校生じゃない。 とても、残念な高校生だった。 「姉ちゃん、好きなヤツとかいない訳?!」 「う…。」 何だか、悔しい。 一つ年下の弟に、バカにされた気分。 「だ、大学になってからで、いいのっ!!」 なぁんて、苦しい言い訳。 「外面良くっても、それじゃあ、絶対に彼氏出来ないって!!」 弟には、見透かされていた。 私の外と家とのギャップを…。 「アンタが、生意気なだけっ!!」 超ムカつくっ! 最近、色気付いて来た弟。 それなのに、私は、未だに勤勉少女のまま…。
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