結城と祐希

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「な、姉ちゃん。もっと可愛くすれば、  それなりに見えるぜ?」 周りの友達は、いっぱい化粧道具を持っていて、 学校のトイレでは、 よくお化粧直しをしている光景を見る。 だけど、私はそんな知識を持っておらず、 色んな雑誌を見ては研究をしていた。 今更、友達に、どんな風にすれば可愛くなれるかなんて、 聞くのも恥ずかしかったから…。 実は、私。 工藤祐希に、恋をしていた。 いつも、学校で、 『ユウキ』『ユウキ』と呼ばれ、 その度に工藤君の事を目で追うようになってしまってから、 『ユウキ』と呼ばれる工藤君を、 いつの間にか気になり出していて、 同じ名前が故に、 『ユウキ』と呼ばれれば、 いつも振り向いては、 工藤君の姿を探していた。 「ど、どうやって、可愛くすればいいのよ…。」 だから、私は、 可愛くなる方法が知りたかった。 「何、何?姉ちゃん、好きなヤツいるんじゃん?」 やっぱり、こんな茶化す弟には、 ムカつく。 「もう、いいっ!!!」 また、私は弟の部屋のドアを、 思いっきり閉めた。 タカヤに彼女? マジで生意気!!!
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