逃行少年

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学校と、家と、塾と。毎日、数時間ごとに規則正しく。 ミトは移動する生活をしていた。 どこにも落ち着く場所がなく、腕にはまった時計がアラームを鳴らすたびに、次の場所へと移動していく。 そんな生活をいつから続けていたのか、いつまで続けていくのか、ミトにはわからなかった。 ただ、一つ所で留まっていたかった。 家でも、塾でも、学校でもいい。ひとつの場所に留まっていたかった。
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