第1話 序章

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俺は再び台所に向かい、今食べる分のカップ麺だけをまな板の上に放り投げ、残りは棚に詰め込んだ。 早速、コンロに乗せたままの薬缶に水を入れて火を点ける。 「…あ、さっきの。」 先ほど拾ったケースを思い出した俺は、早速引っ張り出してそれを改めて確認した。 「…『騎士道物語』…ゲームだよな…?」 裏に貼り付けてあったメモにはそう記されているし、それは間違いない。 とりあえず、ケースを開いて中身を確認する。 …そこには、真っ白なディスクと取扱い説明書が入っていた。 メモが貼ってあることとディスクが白いこと以外、市販されているようないたって普通のゲームであった。 「…やってみるか。」 ちなみに俺は、取扱い説明書を読まずにプレイする派。 『習うより慣れろ』がモットー。 ということで、早速ディスクを取り出した …はいいものの。 「…これ、ハードは何だ?」 今思えば、もう一つおかしい箇所がある。 ハード名(本体)がどこにも書かれていないのだ。 …それはいくらなんでも変だろ。 生憎、寮にはゲームなんて洒落たものはない。 え、じゃあ何で持って帰ったって? …何でだろ。わかんねぇ。
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