第2話 始まり

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  ―冷たい。 意識を取り返した俺は、まずその感触を感じ取った。 暖房が効いている自室にしてはおかしすぎるほど冷たい場所に、俺は寝転がっている。 俺はゆっくりと眼を開いた… …そこは、岩壁の麓だった。 転がってる岩の陰で、俺は隠れるように寝そべっていたのだ。 眼をこすりながら立ち上がり、辺りを見回す。 「…何処だ、ここ。」 辺りは俺の知らない風景だった。 学校の周囲でも、実家でも、ましてや俺のお気に入りスポットでもない。 全く見覚えがない場所だ。 …あ、『俺のお気に入りスポット』ってのはだな… って、今はそんな場合じゃないな。 さて、どうしたもんか… 「…とりあえず、歩くか。…痛でっ!?」 立ち止まってちゃ何も分からない。 とにかく、辺りを探索して情報を得ねば… …俺、サバイバル強いかも。 それにしても足が痛い。 今し方、石を踏んだせいだな。 何故なら、俺は部屋着に素足だからだ。 「…何もねぇな…」 辺りは岩壁が連なるだけで、人の気配すらない。 空は雲一つ無い青空がどこまでも続いている。 「…マジでここ何処だよ。 …ひょっとして日本ですらなかったりして…」
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