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―冷たい。
意識を取り返した俺は、まずその感触を感じ取った。
暖房が効いている自室にしてはおかしすぎるほど冷たい場所に、俺は寝転がっている。
俺はゆっくりと眼を開いた…
…そこは、岩壁の麓だった。
転がってる岩の陰で、俺は隠れるように寝そべっていたのだ。
眼をこすりながら立ち上がり、辺りを見回す。
「…何処だ、ここ。」
辺りは俺の知らない風景だった。
学校の周囲でも、実家でも、ましてや俺のお気に入りスポットでもない。
全く見覚えがない場所だ。
…あ、『俺のお気に入りスポット』ってのはだな…
って、今はそんな場合じゃないな。
さて、どうしたもんか…
「…とりあえず、歩くか。…痛でっ!?」
立ち止まってちゃ何も分からない。
とにかく、辺りを探索して情報を得ねば…
…俺、サバイバル強いかも。
それにしても足が痛い。
今し方、石を踏んだせいだな。
何故なら、俺は部屋着に素足だからだ。
「…何もねぇな…」
辺りは岩壁が連なるだけで、人の気配すらない。
空は雲一つ無い青空がどこまでも続いている。
「…マジでここ何処だよ。
…ひょっとして日本ですらなかったりして…」
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