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その日の夕方。
遊園地には大地と、女の子が立っていた。
「ねぇ安田くん。今日は楽しかったね」
「…そうだね」
「ところで、改まってどうしたの?話しって何?」
「…昨日の言ったことだけど」
「…付き合ってもいいって言ってくれたことだよね。嬉しかったよ。こんなに早く初デートもしたしね」
女の子はとても嬉しそうに微笑んだ。
「無しにしねぇ?」
「ん?何?」
「俺、お前と付き合えねぇ」
さっきまでの嬉しそうだった女の子の顔が、急に不安と困惑の顔になる。
「…なんで。ちょっと待ってよ。なんかした?」
「なんもないけど」
「じゃあ、ワケわかんないし」
「…お前より好きな子が出来た」
「…」
「だからじゃあな」
そういって大地は、立ちすくむ女の子をおいて、走って逃げた。
(大地は間違えたことから、弥生に恋をしてしまったのだ)
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