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「あまりにあなたと、俺の知り合いが似てたから、うっかり…」
(人違い…)
人違いでキスをされた…。
弥生の怒りは爆発した。
「ふざけるな。何が間違い、人違いよ。そんなこと通用するわけないでしょ」
「あの…」
「キスしたんだよ。キス。何を早まってたか知らないけど、失礼にもほどがあるわ」
弥生は、怒鳴りちらした。
それでも怒りは収まらず、殴りかかろうとした。
「まって、まって」
「待たない!」
「話を聞いて」
「聞かない!」
「俺もいっぱいいっぱいだったの」
「だから?」
「好きな人に告白しようと思ってて」
「…」
弥生は黙り込む。
(この人も、告白を?)
「とりあえず自己紹介。俺、安田大地。そっちは」
「森田…弥生」
好きな人に告白をしようとしていた。
ただそれだけの共通点。
それだけなのに弥生は大地が同士のような気がしてきた。
そして起こっていたはずの弥生は大地の話を聞いてみることにしたのだ。
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