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2409年*月*日。
第三次世界大戦の折。
深紅に燃えて流れゆく液体に濡れて、鈍く光る金属片。
外気に晒されて湯気を立てる、生ける者達の証。
居るか分かりもしない神に救いを乞うように伸ばされる、赤い花弁にまみれた白磁の棒。
それらを全て纏めあげて山とさせた物体に腰掛ける、一つの影があった。
口元は意地汚く歪められ、背中は小刻みに震える。
腕とおぼしき箇所からは、ただただ鋭さを追い求めた刃がぎらぎらと輝き続けている。
その異形の物体を、
錆色の弾丸が撃ち抜いた。
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