殺人仙人掌

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オレの名はロザリオ。 カクテスの引き取り手であり、マネージャーでもある。 引き取り手、と言ったのは、カクテスは元々スクラップ場から見つかったからだ。 そもそも、カクテス――今ステージ上で歌い踊っている濃い緑色の髪をした少年型ロボット――は、最新型では無い。 スクラップ場の隅の方に打ち捨てられていた、製造年代が2409年と言うかなり旧式の奴だ。 その割に見た目も手触りも普通の人間と変わらなく、むしろ最新型以上なのだから、一体どんな奴が造ったのか気になって、引き取った。 そしたら、思いの外自由に動くわ、表情は人間そのままだわ… そこでふと悪戯心がわき、ロボットだというのを隠してそこそこ有名なオーディションを受けさせたら、なんと一発で通り。 事情を説明しても『デビューさせる』の一点張りで引き下がらない事務所にとうとう折れてしまい、今現在… 知らない人はいないアイドルになって、セントラルシティのホールでコンサートを行うまでになっていた。
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