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「っ、何だ!?」
突然の事に狼狽える俺。
「客席の方から……!ロザリオさん行きましょう!」
カクテスはそう言うと、俺の腕をひっつかんで廊下から飛び出した。
急いでステージ上に上がった時には、
蜘蛛のような姿の大型のロボットが、
客席にいた人々を次々とその無数の腕で投げ上げ、叩き落とし、
ホールを紅く染めようとしていた。
「あのヤロ……カクテス、お前はアイツを止めろ!オレは観客の誘導に向かうからな!」
そう言って客席に飛び降りたオレの背中に、了解です、と声がふりかけられた。
「何してるんだよキミは!!」
余りに衝撃的な出来事でざわめくホールに、カクテスの凛とした声が響く。
「守らなきゃいけない三原則、ロボットは人を傷付けてはならない……キミにもプログラムされてるでしょ!?」
すると、カクテスの声に反応したか…その大型ロボットがぐるりと回転して、カクテスの方に向き直った。
頼んだぞ、カクテス……!
オレは、逃げ惑う人々の海に飛び込んでいった。
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