学祭

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「ありゃ~、今夜は飲みに付き合ってやってもいいぜ?少年のおごりで」 小出がにやにやしているのは見なくてもわかった。 「行くぞ」 立ち上がった俺に、気後れしながら小出も立ち上がる。反応の速さに驚いたようだ。 ―なんだか納得できねぇ…。彼氏がいる、それだけで諦めればいいのかもしれないが、このもやもやとしたものは一体なんなんだ! でもかわいかった。あんな風に思って話せたのは葵衣だけだ。 「どうして寝ちまうんだ!!」 ジョッキグラスをテーブルに勢いよく置く。 小出が周りを見渡しながら 「おい。何があったか、わかんないけど…落ち着け?」 小出は外見はチャラチャラしているが、かなり面倒見がいい。人見知りしない性格もあり、サークルに入っていないにも関わらず、友達はかなり多い。こうやって俺に付き合ってくれているのも、小出の性格のよさからだ。 ―その小出を通して、言い寄ってきた人たちと付き合ってきた(?)んだが、本気になれないことと長続きしないせいで、あまり覚えていないんだが… 「すまん、小出」 その日は朝方近くまで飲んだ。小出は黙って俺に付き合ってくれた。
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