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学祭から数ヶ月たっていた。俺はバイトに没頭し、大学にはほとんど行ってなかった。
―本当は葵衣に会いたい…無理なのはわかってるけど…
年末も近づき、バイトの数を増やしていたある日、小出からメールが入った。
【今、家にいるか?】
―……?
幸い、バイトまで時間はまだあった。いる、と返信すると、数分後チャイムがなった。
ドアを開けると小出と、もう1人…女の子がいた。かなり美人だ。
「一緒に入っていいか?」
「お、おぅ」
―小出のやつ、彼女の紹介か?それにしても何も聞いてないし…唐突だな
テーブルを囲み3人で座った。神妙な顔のままの小出に違和感を感じ始めた。とりあえずコーヒーを準備した。
小出の隣に座る女の子は、まさに芸能人を思わせるほどに整った顔立ちだった。しかしどこか悲しげで、疲れているようにも見えた。
小出は言いにくそうにゆっくりと話し始めた。
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