718人が本棚に入れています
本棚に追加
またバイトに没頭する毎日が始まった。香奈とは連絡は今もとっているが、もう一緒には住んでいない。
クリスマスケーキを売ったり、ティッシュ配り…大学入学以来ずっと続けているコンビニのバイトもしていた。
部屋とバイト先の往復だけとなった。
「随分貯まった」
何か買いたいものがあるわけでもなかった。ただ時間の潰し方がバイトという方法しか思い浮かばなかった。
―ちょっとだるいな…
咳が止まらず、夜も苦しくて眠れない時もあった。
―風邪か。…こんな時に部屋に1人でいたくない
とりあえず午後からのコンビニのバイトに向かう。
「さむっ」
外の風は寒く感じた。空を見上げると、どんより暗く重い雲があり、雪が降りそうだ。
「持ちこたえてくれ」
独り言を呟きながら、車を走らせ、コンビニへ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!