余命宣告

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またバイトに没頭する毎日が始まった。香奈とは連絡は今もとっているが、もう一緒には住んでいない。 クリスマスケーキを売ったり、ティッシュ配り…大学入学以来ずっと続けているコンビニのバイトもしていた。 部屋とバイト先の往復だけとなった。 「随分貯まった」 何か買いたいものがあるわけでもなかった。ただ時間の潰し方がバイトという方法しか思い浮かばなかった。 ―ちょっとだるいな… 咳が止まらず、夜も苦しくて眠れない時もあった。 ―風邪か。…こんな時に部屋に1人でいたくない とりあえず午後からのコンビニのバイトに向かう。 「さむっ」 外の風は寒く感じた。空を見上げると、どんより暗く重い雲があり、雪が降りそうだ。 「持ちこたえてくれ」 独り言を呟きながら、車を走らせ、コンビニへ向かった。
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