余命宣告

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「しばらく入院していただくことになります…元気が少し出てきた頃にでも、ここに名前をお願いできますか?」 ―は?!入院? 「いや、俺大丈夫ですし!この点滴終わったら帰ります!」 起き上がろうとする俺を制止したのは店長だった。 「嫌いなのはわかる。でも帰ったって部屋に1人だろ?よくなって帰ってこい。これは店長命令だ」 「う…」 身体を戻すと、再びひんやり感が頭に伝わってくる。看護師は間髪入れず、採血をする、とテキパキ準備をする。 「入院て何日になるんですか?」 「1週間くらいと先生から聞いてます」 ―1週間か 早く退院したい 採血の痛みが、頭から足の先まで痺れが走るように感じた。そしてまた眠りについた。 翌日、熱はすっかり下がった。気分もかなりいい。 「熱は下がったんだし、もう退院したらダメなんですか?」 看護師に尋ねると 「まだ検査結果が出てませんから…それまで入院していただいて、先生からの説明もあります」 ―先生からの説明? 冷たく看護師から言われた気がしたのは気のせいだろうか、と思いながら、昨日とは違う点滴をされるのを見ていた。
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