余命宣告

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「熱が下がっても、しばらく肺炎の為に必要な点滴です」 看護師は、俺の疑問が聞こえたかのようにタイミングよく答えた。 「あ、はい」 それから3日がたった。看護師から呼ばれた。 ある部屋に通された。 「あ、どうも挨拶遅れました。主治医の梶(カジ)といいます」 入ってきた先生は、少しお腹が出ていた。30代後半の感じに見えた。 「肺炎は落ち着いてきてるけど…ひとつ。…肺がんです。君はまだ若いが、ご両親もいなくて…正直迷いました。告知するかしないかを。ただ若いがゆえ、がんの進行も早いです。…そこで君に話すことに決めました」 ―…は…? がん…?肺がん…?嘘だろ…俺が…?! 「だって今、元気ですよ、先生!」 先生は頷きながら、まっすぐ俺を見て続けた。 「若い細胞は分裂が早いんです。そしてがん細胞も早く増殖してしまう。治療が全くないわけではありません。放射線治療や化学療法もあります。しかし…あと何年生きられるか…私にも、はっきりした時間はわかりませんが、あと…数年かと」 頭の中が真っ白だった。その後先生は、説明した内容を紙に書いて渡すと言っていた。 ―あと……数年?!数年のいのち…?
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