再会

2/7

717人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ
年も明けた。 バイトはコンビニだけに減らした。 小出とは、香奈のことで迷惑かけたという連絡があった以来、特に俺から話すことはしなかった。 バイトが終わり、携帯を見るとメールが入っていた。 「小出からだ」 【お前、明日追試って知ってるよな?受けなきゃマジ単位とれないぞ!留年だぞ!】 ―あぁ…明日か…。 留年したほうがまだいいかもしれない…。俺の居場所がなくなってしまう コンビニを出て、部屋に戻る。 俺は香奈の一件や病気の宣告で、色々と考え込む時間が増えた。 退院した頃に、香奈から、改めて付き合ってほしいと言われたが、その気になれず断った。 俺の余命もあと少しだ。 ―葵衣に会いたい… …会うだけでいいんだ… 日に日に強くなる葵衣への気持ちを、どうすることもできなかった。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

717人が本棚に入れています
本棚に追加