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年も明けた。
バイトはコンビニだけに減らした。
小出とは、香奈のことで迷惑かけたという連絡があった以来、特に俺から話すことはしなかった。
バイトが終わり、携帯を見るとメールが入っていた。
「小出からだ」
【お前、明日追試って知ってるよな?受けなきゃマジ単位とれないぞ!留年だぞ!】
―あぁ…明日か…。
留年したほうがまだいいかもしれない…。俺の居場所がなくなってしまう
コンビニを出て、部屋に戻る。
俺は香奈の一件や病気の宣告で、色々と考え込む時間が増えた。
退院した頃に、香奈から、改めて付き合ってほしいと言われたが、その気になれず断った。
俺の余命もあと少しだ。
―葵衣に会いたい…
…会うだけでいいんだ…
日に日に強くなる葵衣への気持ちを、どうすることもできなかった。
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