出会い

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―――入学式 新入生とサークル勧誘の人たちで、ごったがえしている。 ―だりぃなぁ…誰も俺に話しかけないでくれ 高校からこの大学への進学は、俺ひとりだ。もちろん知っている奴はいない。 「早く帰ろ~っと。バイト行かなきゃ」 独り言を呟いた時、隣から声がする。 「私も早く帰りたいんだ、一緒に出よう?」 警戒心むき出しにして、声のする方を見る。 ―……!! 「…あ、誰か友達いる?ごめんなさい」 セミロングのサラサラな髪が春の風に優しくなびく。白い肌が、チャコールグレーと水色のシャツで際立つ。顔が小さく、細身の体型は目をパッチリに見せている気がした。 「あ、いや。今から帰るけど…」 やっと出た言葉に、相手は少し照れたように笑いながら 「いきなりごめんなさい。私誰も知ってる人いないの…勧誘とか誰か一緒だと、すり抜けられるかなって」 顔の前に手を合わせ、謝ってくる。まったく悪い気はしない。 「いいよ。俺も1人だし」
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