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そして葵衣は謝ってきた。俺もきつかったのにって。
―今まで病気の話をしたのは田辺以外に葵衣しかいないが…
そんな風に言ってくれるとは思ってなかった…
俺は我慢は身体に毒だから、と話した。まだ悩みを抱えているだろう葵衣にむけて言ったつもりだったが、自分自身にも言い聞かせていた。
すると葵衣のお腹が鳴った。恥ずかしがる葵衣に、俺の心はくすぐられる。
弁当を食べようと開いたが、さっきお腹がなった葵衣が、次は痛いと言い始めた。
―……痛みで薬を飲んでるのか?
産婦人科からの処方を…?
俺は、また聞きたいことを飲み込み、葵衣に少し休むように話した。
葵衣は警戒することなく、シートを倒し、まもなく呼吸が落ち着いてくる。
―何があったかは、わからない…
…でも葵衣がやっぱり好きだ
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