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―あぁマジで…
…めちゃくちゃかわいい…
隣ですぅすぅと寝息をたてて寝ている葵衣。できるだけ車の振動が大きくならないように運転に気を付ける。
―明日の朝位には着くかな
葵衣にまた目を向ける。お腹には手が守るように置いてある。
ゆっくりと車をとめる。
―…彼氏とは別れた、けど理由や泣いていたってことは…まだ好きなんだろう…
ぎしっ
葵衣の額に軽くキスをする。葵衣は起きる気配はなく、寝息のリズムは変わらない。
「葵衣…ずっと好きだったんだ」
小さく呟いて、俺は葵衣の柔らかな唇に自分の唇を重ねる。
葵衣は少し寝返りをうつかのように、身体を反らせる。
―その寝顔は反則だ
席に座り直し、額に手を当て、一息つく。
―俺を見てほしい…
なのに俺は病気だ…
勝手だよな、もうあとどれくらい生きられるか、わかんないのに
でも一緒にいたいんだ
いてほしい…
眠気なんて全くなく、朝まで走り続けた。葵衣が起きた時、キスがバレてないか気になったが、葵衣は全く気づいてなかった。そして運転を代わると言ってくれた。寝起きの葵衣を見ていたかったが、不覚にもその後、眠ってしまった。
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