告白

3/7
前へ
/105ページ
次へ
―― 「病気?私、ついていけないよ…やっぱり前の彼氏が好きなの」 「葵衣…頼む、俺の話を聞いてくれ!」 葵衣が車から出ていこうとする。 「葵衣!葵衣!……!」 ―― はぁはぁはぁ ―ゆ、夢?! 俺の手を握り、心配そうに見つめる葵衣。 「ごめん、夢みてた…」 ―夢なのに、妙にリアルだ… 具合が悪くないのか、と心配をまでしてくれている葵衣の存在を確かめたくて、葵衣の手を引っ張る。俺の腕の中に、おさまるほど小さい葵衣は 「ここにいるよ」 そう言ってくれた。抵抗もしない葵衣の鼓動が伝わる。 ―あぁ、葵衣… 俺は勘違いしてしまうじゃないか 何もしない、と一応話していた為、とりあえず葵衣を離す。本当はまだ抱き締めていたかったが、もう田辺のペンションに着いていた。 ―見つかったら、なんか恥ずかしいし…
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

718人が本棚に入れています
本棚に追加