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次の日、
昨日の入学式同様、
歩と登校する皇志。
( ガラガラ… )
教室のドアを開けると、
6~9人程の女子が皇志に声をかける。
「皇志君おはよっ♪」
「皇志君て中学どこだったの!?」
「彼女とかいる!?
好きな子とかわ!?」
「アドレス教えて!♪」
皇志の隣で完全にスルーされる歩。
歩は (〒_〒) ←こんな顔である。
歩:
(高校でもモテモテかよ!!!
お…俺だって!!!
こいつと同じ顔に生まれていたら!!!
こいつと同じくらいの身長があればぁ―!!!)
皇志は ∑(゜Д゜;)) ←こんな顔。
皇志:
「わぁ!!!
お…おはよっ。」
質問攻撃をかいくぐり、なんとか席につく皇志。
皇志:
「フ―…、
びっくりした。」
歩:
「…高校生活はまだ始まったばかりだ。
試合は9回裏まであるんだぞ!!!
最後に笑うのは俺なんだからな!!!」
皇志:
「あれ?
歩、機嫌悪い?
なんかあった??」
歩:
(…。
皇志の兄貴といいこいつといい、皇志の家の遺伝子は、野球の感は良くても、そうとう鈍感な遺伝子だな…。)
歩がすねていると、
( ガラガラ… )
シ―――ン
教室が静まりかえる。
皇志:
(ん?
みんな、どうしていきなり黙るんだろ?)
皇志が首を傾げていると、
ドアをあけて、
あの金髪の生徒が教室に入って来た。
皆、目を合わさない。
歩がクラスの男子に聞く。
歩:
「なんでみんな、
あいつと目すら合わさないんだ?」
「ぁ―、
あいつ、入学式から早くも恐い先輩達から睨まれてるらしいぜ?
あの頭は嫌でも目立つだろ…。
それに、あいつの親は大病院の院長で、母親はPTAの会長だってさ。
ちなみに今3年生の兄は生徒会長。
先生達すらあいつには注意できないって噂だ。」
歩:
「なんだそれ…。」
皇志:
「…。」
(( キ-ン・コ-ン カ-ン・コ-ン♪ ))
チャイムが鳴って皆が席につく
楓:
「皇志。歩。
朝っぱらから悪いんだが、
あとでちょっといいか?」
廊下側の窓から
隣のクラスの楓が声をかける。
皇志と歩は頷いた。
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