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火坂:
「…お前、
あきらかに野球経験者だよな?
何者だよ。
的に命中させるなんてもんじゃない、
ナイフを持った手は動いている。
そこに簡単に命中させちまうなんて芸当、そうそうできる奴はいないはずだぜ。」
火坂の表情からは
先ほどまでの笑顔が消えている。
皇志:
「ぁ、とっさだったもんだからなんとも言えない。
危ないなぁ~ と思って♪」
皇志が口を開く。
「…行くぞ。継吾。」
金髪の生徒が立ち上がる。
火坂:
「ぇ、もう行くのか?」
金髪の生徒:
「ああ。
もう用は済んだはずだ。
行くぞ。」
歩き出す金髪の生徒。
火坂はついて行く。
皇志達は ジッ と2人の後ろ姿を見ていた。
火坂:
「タカ、さっきの見ただろ!?
あいつすげーよな。」
タカ と呼ばれる金髪の生徒が口を開く。
タカ(金髪の生徒):
「覚えていないのか?
あれは総光中のエース・山村皇志だ。
試合しただろうが。
隣にいたでかい方は波川楓。
俺達の代で県内屈指と言われたキャッチャー。
まぁこいつとは試合したことないから、覚えていなくてもしかたないがな。」
タカの説明に ハッ とする火坂。
火坂:
「山村皇志…。
思い出した。
たしか【皇帝】って異名だったな。」
タカ:
「ああ。
なんであんな奴らがこの高校に…。」
その頃、
皇志達3人も帰り道を歩いていた。
皇志:
「あの2人…、
絶対どっかで見たんだよな~。」
考えこむ皇志。
楓:
「あのスイングはただ者じゃない。
試合くらいしたことあるかもしれないな。」
歩:
「とりあえず全員あいつが倒してくれてよかったぜ♪」
ホッ としている歩。
皇志:
「ってかさぁ、
そろそろきちんと練習がしたいね。」
歩:
「そうだよな―…、
自主連にも限界があるし、グラウンドを使いたいよ。」
2人の言葉に楓が ニッ と笑う。
楓:
「そのことなんだが、今日いいことを思いついたんだ。」
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