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初めてのホームルームを終え、
皇志と歩は帰り支度を始める。
クラスのみんながゾロゾロと帰って行く中、
1人の男が皇志達のクラスに現れた。
( ガラガラ…!! )
継吾:
「タカ!!
帰ろうぜっ!!
ホームルーム終わったか?」
入って来たのは、
オレンジ色に近い茶髪をカチュウシャで押し上げ、
だらしない制服の着方に、ダボダボのズボン。
大きい目に八重歯が目立つ、
がたいのいい男子生徒。
「…ああ。
行くぞ。」
タカ と呼ばれた生徒は、先ほど皇志の目に止まった金髪の生徒だった。
皇志:
「…。」
皇志は無言で見つめる。
歩:
「どこの学校にも不良ってのはいるもんだな。
入学早々派手な奴らだぜ。
帰ろっ♪」
皇志:
「うん♪」
げた箱で靴を履く歩。
皇志が口を開く、
皇志:
「俺、ちょっと野球部見に行ってもいいかな?」
歩:
「そうだな。
部活の仮入部期間は明後日からだけど、俺達が入る部活がどんなとこか、前もって見とくのもいいかもな。」
歩も賛成し、
2人は野球部のグラウンドへ。
皇志:
「あれ?
グラウンドは市立にしては立派だけど…、
誰もいないな。」
歩:
「そうだな。
しかも、
…よく見たらグラウンドに草生えてるぞ。」
皇志:
「練習…してないのかな?」
荒れ果てはグラウンドを呆然と眺める2人。
すると、
皇志と歩の方に向かってくる男が。
「ここの野球部は練習してないぜ?」
歩:
皇志:
「ん??」
振り向く2人の前に立ち止まったのは、
黒髪をなびかせ、
眼光は鋭く、
整った顔立ちの男だった。
皇志:
「…波川 楓?」
楓:
( ニッ )
「覚えててくれたか。
俺も鳳聖の1年だ。
これからはチームメイト、仲良くしてくれ。」
歩:
「ぇ? 波川楓って、
東丘中の波川楓!?!?
ウソっ!!!
なんでこんなとこにいるの!?」
【波川 楓(ナミカワ カエデ)】
身長,177センチ
ポジション,捕手
《中学時代、皇志達と試合をしたこともある捕手。
配球,守備陣形,試合運びなど、野球を知り尽くした知識と、飛び抜けたセンスは守備・打撃とわず天才。》
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