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皇志:
「びっくりしたよ!!!
楓が鳳聖にいるなんて!!!」
楓:
「地区大会で総光中と試合したときには衝撃を受けたぜ。
山村は、
…俺が今まで見たピッチャーとは明らかに違った。
どうしてもお前をリードしてみたい、
山村の球を受けたい。
そう思って鳳聖に入学した。
噂で山村が鳳聖に入学するって聞いたときは、何かの間違いかと思ったぜ。
まさかお前程のピッチャーが、
こんな弱小校に来るとわな。」
皇志:
「ハハッ…そう言ってもらえると嬉しい。
あと、皇志でいいよ♪
これからはチームメイトなんだし。
高校は…どうしてもここがよかったんだ♪」
楓:
「わかった。皇志。
仲良くやろうぜ。
何かこの高校に決めた理由でもあるのか?」
皇志:
「…まぁそのうち話すよ♪」
言葉を濁す皇志。
楓も深くは聞かない。
そして、
この野球部のことを話始めた。
楓:
「鳳聖に通ってる中学の先輩から聞いたんだが、
鳳聖の野球部は学校の掃き溜めらしい。」
歩:
「掃き溜め??
どういうこと??」
楓:
「部活が全員参加を義務付けられているこの学校で、不良達は皆とりあえず野球部に固まっているんだ。
当然他の生徒は恐がって入部しない。
入部してもまったく練習がないんだ、嫌気がさしてすぐに退部。
…要するに、
野球部はほぼ全員幽霊部員だ。」
皇志:
「…。」
楓:
「まぁ部室は不良共が休憩所のように使っているらしいがな。」
歩の表情には悔しさが滲みでている。
歩:
「なんだよ、それ…。
野球をバカにしやがって…。」
楓:
「野球は諦めるか?」
楓が皇志に聞く。
皇志:
( ニコッ )
「こんなことで諦めるわけないじゃん♪
俺、今から野球部の部室行ってみるよ♪」
楓:
( フッ )
「そうこなくっちゃ。
不良が恐くて野球ができるかよ。
俺も行く。」
歩:
「ぇ!?!?
不良の巣窟だよ!?!?
ほんとに行くの!?!?」
皇志:
「おいてくよ―??」
皇志と楓は部室に向かって歩きだす。
歩:
「ぅ―…、
待ってよ―…!!」
歩も後ろから走ってついて行く。
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