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皇志達3人が帰ったあとの部室では、
先ほど楓に気圧された不良が苛立ちを隠せずにいた。
( ドッガァ―…!!! )
用具入れを蹴り飛ばす。
不良:
「あのヤロー…、
1年のくせに。」
帰り道。
楓:
( フッ )
「なかなかたちが悪い奴らだったな。」
皇志:
「そうか?
顔はおもしろかったけどね♪」
歩:
「ぅ―…、
一気に寿命が縮まったよ。。」
バスの中、
楓が話を変える。
楓:
「そういえば、
一条はどこの学校に行ったんだ?」
皇志:
「春希は和豪高校に行ったよ。」
楓:
「ほ―、県外に出たか。
和豪高校って行ったら東京の名門じゃねぇか。
何回も甲子園に出てる。
さすがだな。」
皇志:
「あいつなら和豪でもすぐにレギュラー取るさ♪」
楓:
「ありえるな。
総光中の【エース・山村皇志】と、
総光中の【4番・一条春希】。
この2人が同じチームってのは驚異だったぜ。」
歩:
「当然だよ!!!
皇志と春希は全国区だぜ!?!?
どれだけの高校が2人を欲しがったかわからないくらいなんだから♪♪」
歩が自慢げに話す。
楓:
( フッ )
「そういう歩は何校誘いが来たんだ?」
歩:
「ぅ…。 …3年間、補欠です。」
一気に大人しくなる歩。
皇志:
( ニコッ )
「歩は3年間よくがんばってたよ。
それに、
楓だって実力じゃ全国区にまったくひけをとってないんだから、いくつ高校から誘いが来たかなんて、なんの自慢にもならないよ。」
歩:
「…はい。」
楓:
「結局、
愛知県予選の決勝で総光中を破った、桜前中が全国優勝しちゃったもんな。
桜前中を唯一延長戦まで追い詰めた総光中との試合が、もしかしたら事実上の決勝戦だ。」
皇志:
「ありがとう♪」
話しているうちに、
バス停につく。
楓:
「俺ここだから。
じゃぁ、また明日。」
楓はバスを降りた。
家が近い歩と皇志は、まだバスに乗っている。
歩:
「でも今思いだしてもおしかったよな~…、
愛知県予選の決勝。
あの試合に勝ってたら全国だったんだぜ!?
まぁうちのチームは皇志と春希におんぶにだっこだったけどな♪」
皇志:
「過ぎたことを悔やんでも仕方ないよ。
俺はあの仲間と3年間野球ができて楽しかったぜ♪」
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