始まりの日

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春、サクラが満開になり花びらが少しづつ散り始めた頃、白河市立白河高校で新一年生の入学式が行われていた。 偏差値は県の平均よりやや高めで、進学校としては有名な学校である。 数年前から部活の方でも優秀な成績を挙げて生徒を一人でも多く獲得する為、特待生の制度を設けた。 水野 啓作はサッカーの特待生として入学、勉強も中学では上位と優秀な生徒だ。 しかしこれは人一倍の努力の結果であって天才なわけではない。 彼が努力家である事を知っているのは親友の林 純也だけである。 純也もまた、特待生としてこの学校に入学。 中学の成績は目を反らしたくなるような物だった。 クラスは啓作が1-2、純也が1-3で見事に分かれてしまった。 クラス分けは学力順に分けられ全部で三クラスになっている。 入学式の前の時間はみんな、友達を作って話している人ばかりだ。 啓作も何人かに声を掛けられ、携帯のアドレスを交換した。 声を掛けてきたのは半分以上が女子。 アドレスを交換したのは男子だけ。 中学の時から女子にモテたが、頷いた事は一度もない。 部活や勉強に集中したくて彼女を作る暇が無かったのだが純也の恋の相談には真剣に答えていた。
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