一章 鋼の氷

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走る。 隣を走っていたリザリーの頭が爆ぜた。 走る。 前を走っていたダナクの足が消える。 それらの骸を越えて、走る。 それが彼等の望みであるから。 気が付けば走っているのは私一人であった。 後ろから私の頬を形のある『殺意』が掠める。 「・・・・」 たどり着いた。 何かのカプセルであろうか、円筒形の透明な容器。 それに満たされた緑色の液体に、うっすらとヒトの輪郭が見えた。 「侵入者は『エデン』に到達!『エデン』の活動開始まで推測47秒!」 「撃て!」 「しかし!」 「こうなれば『エデン』ごと抹消しろ!活動を開始されたらもう打つ手は無いぞ!!」 「・・・ようやく、会えたね・・・・私・・・探したんだよ・・・」 カプセルの前に端末があった。 歩み寄る。 ふと、昔を思い出した。 遥か、昔。  ねぇ、人はどうして『生きる』のかな? 活動開始の暗証コード・・・たぶん、これだ。 『O.F.・・・・・』  簡単さ――― 『O.F.AL・・・』  人はただ――― 『O.F.ALIVE』  死にたくないだけだ 『CODE AUTHENTICATION...』 『COMPLETE!!』
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