30人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんでもねーよ…それより真おっせーなぁ…」
「そういえばまこちゃんどこ行ったの?」
いつも一緒にいるのにと言われ、別に好きでいるわけじゃない、と返す。
真と一緒にいるのは昔っからの腐れ縁だし、あいつが勝手に着いてくるからパシリに使ってやってるだけだ。
「俺朝メシ食いっぱぐれたから、購買で…」
「光っ!!」
バン!とでかい音を立てて、教室の前のドアが開いた。
そこにいたのは息を切らせた俺の幼なじみ。
黒縁眼鏡と黒い髪の無駄にデカイ地味な奴。
「ひっ、ひか、る…これ、買ってきた…」
「おっせーよバカ、5分遅れたから明日もな」
へたり、と俺の席の所で力尽きた真を余所に、購買の袋を取り上げて開ける。
中には一日20個限定、レーズンメロンパン。
そしてパックのイチゴミルク。
「え、まこちゃんあれ買ってきたの?超レアなのによく買えたねー」
「しかたねーじゃん、光が食いたいって言うんだから…」
「真、文句あんのか?」
「……ないです」
よしよし、今日も俺の下僕は忠実に任務を果たしてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!