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「ただいまー」
意気揚々と帰ってきた舞は早速白龍に熱い抱擁を受けていた。
もがく様にその腕から逃れ、とりあえずはと自室に買ってきた荷物を置きに行く。
青龍も黒龍も苦笑しながら卓に着き、黄龍が二人に茶を出した。
「楽しかったみたいだね」
「楽しかったですよ」
「楽しんじゃった」
笑みを見せる二人に、黄龍も笑みで返す。
白龍はそんな兄達に羨ましそうな視線を向け、白虎と朱雀はつまらなそうに視線を逸らした。
舞が戻ってくると椅子に座り、買ってきたケーキの箱を出した。皿とフォークを人数分出した青龍に礼を言い、其々の皿にケーキを出していく。
「当たり前のようにお前は二個喰うのかよ」
「当たり前だからね!」
呆れる白虎などなんのその。舞は皿に乗った二個のケーキを嬉しそうに見た。
不意に視線を上げた玄武の目に、舞の細い手首が入る。
そして、何故かそれに引っかかるものを感じ眉を寄せた。
「玄武…どうか、した?」
白龍がその視線に気付き、同じように舞を見る。
別に何も可笑しいところは無いと、白龍には思えた。
しかし
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