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「それ、何?」
朱雀は気が付いたようで、舞の手首を指差した。
言われた舞は手首に視線を向け、納得したように前に出す。
皆に見えるように袖をまくると、嬉しそうに笑った。
「これね、手作りなの」
「手作り?舞の?」
嬉しそうに頷いた舞は、その時のことを語った。
「手作りアクセのお店でね、好きなモチーフを選んで好きな物が作れるの」
だから記念に、青龍には青緑の石で、黒龍には黒曜石で、自分はピンクの石で、其々に御揃いのアクセサリーを作ろうと言う事になった。
なので、今の舞の手首には三人が選んだ石が並ぶブレスレット。
「って、ことは…」
「えぇ、私達も同じ物を持っていますよ」
「記念だしねー」
白虎が見れば、青龍も黒龍も、同じように手首を見せていた。
其処にあるのは舞と一緒のブレスレット。
おまけに留め金の部分には三人の名前まで彫ってあった。
「ふーん」
憮然とした表情で椅子に座る白虎。
朱雀は今度同じ店に行こうかと考え、黄龍は自分も何か御揃いの物を買おうと思った。
白龍は兄達を恨めしそうに見ていたが、黒龍と視線が合うと慌てて逸らす。
玄武は気にした風も無くただ無言だったが、何気に弥の御蔭で揃いの服などがあるからだろう。
「お、此処のケーキ美味しい!」
皆の考えてる事など知らない舞だけが、ケーキに舌鼓を打っていたのだった。
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