小さなころ

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小さなころ

小さい頃 大人になったら   何でもできると思ってた     大人になったら   ヒーロー並みのアクションで 悪い奴を退治するつもりでいた     大人になったら   最初にテレビを買って 金槌で壊して 中に入るつもりでいた     大人になったら   サンタクロースを 張り込んで 家まで付いて行くつもりでいた     大人になったら   胃袋の中を 味海苔で いっぱいにするつもりでいた     大人になったら   悲しいとき 涙は出なくなると思ってた   強くなるから 泣かなくなると思ってた   何でもできるから 悲しくないと思ってた           だけど   本当は違って       本当は         大人だから   すぐ泣いちゃダメだったり      大人だから   ちゃんとやらなきゃ   ダメだったり 大人だから   みんなが大人の着ぐるみを   着せたがるので           小さい頃のほうが     本当の自分だった           今は   夏休みの前の日に 絵の具や習字道具の 重さも気にせず 浮き浮きして 持ち帰ったことや     町内の 小さな祭りで はしゃいだことや     風邪で 学校休むのが 嬉しかったりするような オレンジ色の気持ちは   消えてしまった
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