1097人が本棚に入れています
本棚に追加
知樹がそう言ってくれたのは中学の最後の夏休みの前。
今になって考えれば知樹はもっと言いたいことがあったのかも知れない。
中学を入学した頃の俺は希望に溢れ、ワクワクした気持ちってのをしっかり持っていた。
学校生活で何があったとか、テレビや雑誌が騒いでいるいじめがあったとか、まして友達がいなかったわけでもないけど、ただなんとなく、自信を失い、子供の頃に描いていた夢が現実となって消えてしまった中学の3年だった。
知樹と会ったのはそんな中学3年の頃だった。
「なんか本当つまんねぇよな、この学校。」
1人で非常階段の下にある小さな石段に座っていた俺に突然話しかけて来た。
「えっ?」
なんて答えようか少し戸惑った俺に知樹は言葉を続けた。
「お前、6組だろ?どう?クラス楽しい?」
けだるそうな知樹の言葉に俺は同じようなテンションで答えた。
「普通だよ、、。2組は?楽しい?」
知樹が2組だってことは何故か知っていた。
何故だろう、、、。
最初のコメントを投稿しよう!