~第1章 出会い~

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「お前、ゲイ?」 頭にもなかった知樹の言葉に俺は少しイラッとしたのと、恥ずかしさから、 「あのさ、俺が女苦手って言ったのはこの学校の女ってことだよ。付き合ったりしたけど、面倒くさいってことで、 俺は、、、。」 「わかってる。冗談だよ。」 俺の話を最後までは聞かず知樹は断ち切る様に言った。 「面倒くせぇよな。メールとか電話とか、一緒に帰るだの帰らないだの、、、。本当、女ってなんでそんなん好きなのかな、、、。」 知樹は一瞬だけためらったのか言葉を詰まらせた。けど、何もなかったように話を続けた。 「1組の星川って知ってるか?」 「あぁ陸上部のやつだろ?」 「多分。俺さ、こないだあいつにコクられたんだよ。付き合ってくれないかって。」 知樹はいかにも面倒くさそうな表情をして言った。 「で、なんて答えたんだよ。」 「面倒くさいから付き合うとか無理って言った。」 女心を理解出来ない俺でさえその返事の仕方は最悪だってわかった。 顔をしかめてる俺に知樹は、 「なんだよ、その顔。嘘じゃないだろ?面倒くさいから面倒くさいって言っただけだよ。」 そりゃそうだ。でも言っていい言葉なのか? 「それで、星川はなんだって?」 答えは想像がついたが聞いてみた。 「下を向いて黙ったまま。」 俺はその状況を頭の中で浮かべ少しだけ切なくなった。 「そんで、その内、星川の友達が来て、『最低だね』って俺に言い捨てて。星川を支えながらどっか行った。」 当たり前だ。 誰だってそんな断り方をされればそうなるし、最低ってだって言われる。 でも知樹の気持ちもわかる。 嘘を言ったって意味がある訳じゃないし、思わせぶりな態度で返事をする方がよっぽど最悪な人間だろう。 「自慢話かよ。」 俺がそう言うと知樹はどこか切ない声で言った。 「人を傷つけた話がなんで自慢話になるんだよ、、、。」 傷つけることを知っててその言葉を星川に言った、、、。 こいつと友達になろうと決めた答えだった。
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