4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハッ!」
俺の目の前に座った路利は箸で唐揚げを挟んで、むぐむぐごっくんした後に完璧上から目線で鼻をならした。
ん…?むぐむぐ…?
「奥さァァァん!なんで路利だけ注意しねぇの!?俺だけおあずけ!?ナニコレDV!?」
お袋はきょとんとして俺と路利の顔を交互に2回程見た後にやっと状況が飲み込めたらしい。
「んまっ!路利ったら箸で食べてたから気付かなかったわぁー…さては路利!貴方策士ね!」
『策士じゃなくね!?』
思わず実行犯の路利ですら突っ込んでしまう程の天然。
それが俺達の母親、
柳瀬 真見 (やなせ さなみ)
その人である。
今年で四十路になるというのに未だに30歳にも見えないのは、童顔というのもあるだろうが、俺はこの性格も一役買っているのではないかと思う。
最初のコメントを投稿しよう!