はたして鳶は鷹を生んだのか

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「ハッ!」 俺の目の前に座った路利は箸で唐揚げを挟んで、むぐむぐごっくんした後に完璧上から目線で鼻をならした。 ん…?むぐむぐ…? 「奥さァァァん!なんで路利だけ注意しねぇの!?俺だけおあずけ!?ナニコレDV!?」 お袋はきょとんとして俺と路利の顔を交互に2回程見た後にやっと状況が飲み込めたらしい。 「んまっ!路利ったら箸で食べてたから気付かなかったわぁー…さては路利!貴方策士ね!」 『策士じゃなくね!?』 思わず実行犯の路利ですら突っ込んでしまう程の天然。 それが俺達の母親、 柳瀬 真見 (やなせ さなみ) その人である。 今年で四十路になるというのに未だに30歳にも見えないのは、童顔というのもあるだろうが、俺はこの性格も一役買っているのではないかと思う。
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