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しかしお袋いわく、親父は『ヤり手』の探偵で、探偵という仕事が親父の天職なのだそうだ。
俺はお袋の方が断然探偵の素質があると思うが、お袋はそうは思ってないらしい。
そんなに言うのならばと、一度親父に何故探偵になったのかを聞いた事がある。すると親父は、悪戯っ子の様な目をしてウインクをしつつ(40過ぎのオッサンの癖にウインクが違和感無いのがムカツク…!)
奇っ怪な返答を寄越した。
「それはね初太、父さんは探偵の時は女王になれるからさッ!」
「…ハ?頭にメレンゲでも入ってんの?」
結局よく意味が分からないまま今に至るのだが、ある意味親父は普通じゃない事は分かった。
「ね!お父さんはヤり手の探偵だって分かったでしょ!」
お袋は自分の事の様に得意げにウインクを一つ。(40過ぎの…略)
俺はお袋の言葉を信じる事は無かった。
まだ、この時は。
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