はたして鳶は鷹を生んだのか

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路利は、今や完璧に不敵で無敵で悪魔的な笑顔を顔に張り付けてこっちを見ていた。 お兄ちゃん見ないふり!お兄ちゃん見ないふり!お兄ちゃ 「そういえば兄貴またフラれたんだって?」 「あらま、また?」 「おや、またかい?」 「ウワァァァ!!おまっ何故それを!?」 いくら家族だからと言ってこれはプライバシーの侵害だ! チクショウ路利め!お袋と親父がノッてくるの知っててこんな話題を…!恐ろしい子…! 「また名前が原因でフラれたの?」 えぇ、えぇそうですともお母様。 貴女の一時のテンションでつけた名前で息子は苦しんでいます。主に恋愛で!しかしここは一言ガツンと、 「も…黙秘する!」 これ以上何か言って墓穴を掘るのは避けたい。 ここはひとつ原因究明をすべきだ! 「つーか、なんで俺がフラ…うぅ、フラれた事を路利が知ってんだよ!」 「兄貴が部活中『繭美ぃ~』って寂しげに呟いてたって鈴木が…。」 繭美は俺がフラれた子で、鈴木は路利の同級生で俺の部の後輩だ。 おのれ鈴木め…明日の練習メニューはお前だけ校庭30周だ…!
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