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私は彼女を室内に招き入れ、
来客用の椅子に案内すると
デスクの上に散乱した書類を
傍らに押し退け、
とりあえず組み合わせた
肘から上の手を置ける
スペースを設けると、
一息置いて彼女の方へ
向き直った。
これは依頼者の話を真剣に
聞き入れる事をアピールする
安心させる為に行う
ジェスチャーでもあり
癖でもあった。
『ご依頼の内容はどの様な
事ですか?』
『この写真の前列左から
三番目の女性を捜して
欲しいんです‥。』
彼女はおもむろに持っていた
ハンドバッグから一枚の
古ぼけた写真を取り出し、
私の方へ差し出した。
『この方のお名前は?』
『サラ…。
サラ・ポートマンよ‥。』
写真の女性は往年の
ピンナップガールを
想わせる様な笑顔で
ひときわ輝きを放っていた。
『それで、彼女と貴女は‥?
どう言ったご関係なんです?』
『彼女は私の親友でもあり、
ライバルでもあったわ…。』
『…と仰いますと?』
『私は彼女がまだ赤ん坊だった
頃から彼女を知っていたわ‥。
彼女が成長してカレッジに
通う頃、初めて彼女に声を
掛けられたのよ…。
私達は直ぐに打ち解けて‥ 』
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