「雷」

8/22
7186人が本棚に入れています
本棚に追加
/294ページ
少女はベッドに座って、両目を白い包帯で覆っていた。 それが少し痛々しくて、俺は声を掛けるのを躊躇ってしまった。 「………シエル」 「…あ、ランさんですか?」 シエルはいつもと同じ、柔らかな笑顔を俺に向けた。 そう。いつもと同じ。 少しだけほっとして、静かに少女のそばに座った。 唯一の光源の蝋燭が揺れる。 .
/294ページ

最初のコメントを投稿しよう!