月光狂想曲

クルー**ニク

女はクス、と笑って、また白い仮面を付ける。
そのまま、暗闇の方に歩いていった。

「…そっちは壁、」

かつん、という足音が消える。
男は慌てて蝋燭に火を点ける。
動物油の燃える臭いがして…。

女は、この部屋にはもう存在していなかった。

男は床にへたりこみ、異様な存在に震えた。
だが、やらなければならないことを思い出し、女など構ってられないと、また頭を振った。

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