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俺は夜の眷属だというのに、なぜあんな少女のために昼間の路地裏を走っているのだ。
ふとした疑問が頭によぎったがそれどころではなかった。
少女が気に掛かって仕方がない。
俺は「堕ちたな」とつぶやきため息を吐くと、オレンジ色に染まりかけた空を見上げた。
この空が黒く染まれば、俺は必ず少女を見つけだせるだろう。
…だが、今日は日光を浴びすぎた。気が付くと煉瓦の壁に背中を預け、座り込んでしまっていた。
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