"死"

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少女の肌は白く滑らかで、伝う血が酷く映える。 ぽたり。 目を閉じて開かないシエルの頬に透明な雫が落ちる。 「鬼が、泣くか。…ははっ…くだらない…」 初めての感覚だった。 昔の女が去ったときは感じなかった、この感情。――悲しみ。 堪えようとしても溢れる涙に、俺は歯軋りをした。 .
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