孤独

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きし、と椅子が軋む。 ゆらゆらと揺れる火を見続けたまま、ランの時間は過ぎていく。 シエルの遺体は、真っ白な棺に入れて庭の花のなかに置いてある。 もちろんそれはランがしたのではない。 残念ながら、彼にはシエルを埋葬する気力が残っていなかったからだ。 まるで、シエルと共に死んでしまったかのようで。 .
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