黒の隻眼

2/21
7186人が本棚に入れています
本棚に追加
/294ページ
その部屋は薄暗く冷たい風が通り抜けていた。 男は窓枠に座ってじっと外を見つめている。 ふいに部屋に誰かが入ってきて男の肩を叩く。 「よぉ、リト。元気か?」 「あぁ」 たいしたようじゃないのに話し掛けるなよ、カスが。 リトと呼ばれた男は振り返りもせずに灰色の髪を揺らしてそっけなく答えた。 話し掛けた男は「冷たいな」と苦笑する。 「今日はお前に土産があるんだぜ。テリトリーうろついてた女だ」 .
/294ページ

最初のコメントを投稿しよう!