黒の隻眼

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…この男はいつも何かしら俺に贈り物をくれる。 面白いものなど一つももらったことが無いが。 「興味ない」 「んなこというなよ。お前と同じで目が見えないらしいぜ」 皮肉そうなその言葉に初めて俺は反応して、にらむように振り返った。 背の小さい可愛らしい少女だ。 何も理解していないらしく首を傾げてそこに立っている。 確かに赤みがかった黒髪の隙間から白い目布が覗いていた。 .
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