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「とにかく公園に行きましょう。」
しばらく言葉が出なかったが、私が言った。
公園に向かって歩き、公園に来ると救急車やパトカーが来ていた。
私達は重症の二人を救急車の所まで連れて行き、部長と一緒に手当てをしてもらった。
しばらく助かったことを喜んだ後、ふと家族の事が頭に浮かんだ
「そういえば家族は!」
心の中で叫んだ。
連絡をする為にビルで見つけた携帯を使ってみたが、回線が混雑していて繋がらない。
私は不安に襲われた。
そして、一刻も早く家族の元に帰らなければという気持ちが生まれた。
街は火に包まれ、瓦礫の山となっている。
車も無ければ電車も無い、自分の足で歩いて行くしかなかった。
「自宅に帰ります。」
部長に言った。
「今帰るには危険すぎる、やめたほうがいい。」
部長は危険だと言って、私を止めようとした。
「私より家族の方が心配なんです、お気持ちは嬉しいですが失礼させていただきます。」
私は瓦礫と炎の中を、自宅に向かい歩き出した。
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