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地下鉄のホームまで行こうとした時、再び余震が起こった。
揺れは震度2くらいだったが、突然近くで火花が散った。
私は嫌な予感がして、その場からホームまで走って降りた。
直後、後ろから物が燃えるような臭いがしてきた。
後ろを振り向くと、さっきの火花が近くの料理店の燃料に散って、急激に広がってこちらに向かっている。
私達はホームにたどり着くと、そのまま路線に降りて走った。
次の駅に着くのが先か、酸素が無くなるのが先か、時間は無かった。
今はとにかく走って、駅に出る必要があった。
電車に乗っていると次の駅はすぐに着くが、人が走って次の駅に行くと時間が掛かる。
進は息が切れていないが、さすがに中年の私は息が上がってしまった。
しかし立ち止まる時間も無く、走るしかなかった。
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