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どれくらい時間が経っただろうか?
何かに頭をぶつけて意識を失った私は、気が付くと書類が散乱する地面に倒れていた。
会議室の側面にあるガラスが割れて部屋に飛び散り、ガラスがあった場所から風が物凄い勢いで入って来ている。
太郎が居た場所は、地上50階建のビルの中間ぐらいだ。
高層ビルなので、風がとてつもなく強い。
太郎は冷静さを取り戻そうと、ゆっくりと立ち上がろうとした。
その時、近くで物音がした。
そっと音がした方へ顔を向けると、部長と先方の社員が倒れていた。
社員の方はこちらに気が付いたようで
「・・・大丈夫ですか?」
っと聞いてきた。
「私は大丈夫です」
「部長はどうですか?」
と聞いた。
部長は怪我をしたみたいだが、幸いにも骨を折るなどの重症ではなかった。
「軽く腕と足を切ったぐらいだ」
部長は答えた。
私は部長の手当てをしてから、窓の外を見た。
様々な所から、オレンジ色の火の手が上がっている。
ようやく冷静さを取り戻した私達は、外に出るために部屋を出た。
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