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館内図を確認すると、二階下に非常用の梯子が用意されているようで・・・。
梯子で5階まで降りることが可能だという事が判明した。
しかし、二人が怪我をして自力で降りられない事を考えると、梯子は使えないため別の方法を探らなければならない。
館内図をよく見ると、点検用の通路が書かれておりー。
とりあえず、その通路を目指して我々は歩き始めた。
少し歩いて通路の方まで移動したところで、防火用のシャッターで通路が閉鎖されていることが判明した。
壁にシャッターを開閉するための制御ボックスがあり、ここに鍵を入れて回さないと開かない仕組みになっている。
仕方なく部屋の方に戻り、鍵を探すことにした。
「誰か来てくれませんか?」
そう部下の一人が言ったので、声がしたところへ向かったところ・・・。
30センチくらいの鍵が掛かった扉が付いている、小さな棚のようなものが倒れた机の下敷きになっていた。
我々は倒れた机を退かして棚を移動させた。
すると、僅かに鍵のような物が擦れる金属音が棚の中から聴こえてきた。
「この中にあるかもしれない」
そう私が言うとー。
「この棚の扉にある鍵を、どうやって開けるんですか?」
部下が尋ねてきた。
あいにく、‘‘鍵を取り出す為に必要な鍵’’は持ち合わせていない。
「椅子か何かで壊せばいいのでは?」
他の部下が言った。
私は近くにあった椅子を持ち上げ、鍵に向かって投げつけてみたが・・・。
全く壊れる気配はなかった。
「何か他の物を探そう」
私が言った。
しばらく探した結果、窓枠の破片があった。
破片を扉の僅かな隙間に差し込み、てこの原理で無理矢理開いた。
棚の中には四本の鍵以外に、ライトや携帯などがしまわれていた。
シャッターの所へ戻り、我々は見つけた鍵を全て制御ボックスの鍵穴に差し込んだ。
何本か鍵を差し込んで使えるものを探したところ、一本の鍵が鍵穴にスッポリと嵌った。
その鍵を回すと、シャッターが上がり通路の向こう側が現れた。
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